「……必要最低限は、あります」
「ふぅん……」
そうして。
蓮はゆったりと再度部屋を見渡している。
だから。
仕方がなく、私から声をかける。
「あの…何か…御用でしょうか?」
「ん?腹減ったな、と思ってさ」
「は?!私の部屋に食べ物はありません!!」
「………そんなことねぇよ?」
ニヤリ、と。
黒曜石の瞳を細めて。
それはそれは、妖艶に笑うから。
ザワッと、背筋に何か走った。
何………?!
この人……、
なんか、…怖い………!
「……あ!飴ならあります!飴あげます!!だから出ていって……!」
僅かに、青ざめていたと思う。
でも、それを打ち払うように、慌てて放置したままのかばんに手を伸ばそうと、
……した。

