…観月くんが、変なこというから。
きっとちょっと感覚が変な方向へ向いているんだろう。
「…いえ、……何でも、ありません」
「そう? ね、詩乃ちゃんもダージリンでいい?」
そうして、メイさんは、生き生きとティーカップを暖め出はじめた。
一緒に並んで台所に立つこの感覚とか。
お姉ちゃん、みたい…。
そう思ったら…なんだかすごく嬉しくなった。
狭い給湯室で、女二人でキャッキャッと、お茶の準備をする。
今までの私の生活には、なかった明るさ。
…なんだか、嬉しい。
ようやく、緊張して強張っていた、肩の力が抜けはじめた。
…その時。
「コラ。詩乃」
………せっかく。
せっかく……!!
人が、ちょっとだけ明るい気分に浸りかけているのに。
背後から、突然、伸びてきた手に。
羽交い絞めにされた。
強い力で。

