腹が立つのを何とかギリギリで押さえて、遊佐さんにだけ、顔を向けて。
「いいえ! 先ほど、少ぉぉぉしだけ!! 顔を拝見しただけですから!!」
「…あ。そう。…そんなムキにならなくても」
クスクスと、蓮の横に座る、斎さんが、笑い声を漏らす。
「………なかなか、相性悪いみたいだな? 蓮」
「うるせぇよ、斎」
一瞬だけ、蓮が綺麗な眉を歪めた。
ふん、と鼻を鳴らしたい気分になったとき、観月くんと並んで座る、私の横からメイさんが顔を突き出してくる。
「ねぇ! 詩乃ちゃん、お茶好き?!」
「……は?」
「紅茶! 何か淹れてあげるから!」
「あ。別に何でも……。というか、手伝います」
「メイ、詩乃。俺、珈琲な」
「馬鹿蓮は黙っててよ! 私は詩乃ちゃんに聞いてるの! じゃ、葵くんは?」
「……ダージリン」
「了解! 詩乃ちゃん、手伝ってくれるの?!」
「あ、は、はい」

