「こっの、ばかっ!」
「え!?」
抱き締められた嬉しさに浸ってたのにいきなり空に怒鳴られた。
好きと言う前に空は部屋のドアを開けて私を抱き締めてくれた。
嬉しかったのに、怒られた。
「俺がどんだけ…」
「はい、ごめんなさい」
「…許さねーよ」
「え!?」
許して、くれないの…?
「好きって言えよ」
「え…?」
好きって言おうとしたら遮ったのは空なのに!
「あの…えっと…」
言えって言われて言うのは…なんかすごい恥ずかしい…
「あ…えっ、と…」
なかなか言わない私に、空が近づいて来て、おでことおでこをふっつけた。
近い…空の吐息がわかる。
近くて恥ずかしいのに、落ち着く
「茜」
「……好き…」
名前を呼ばれて、自然に想いが言葉として出た
「もう1回」
「好き…」
私が好きと言うと、空はそのたびにキスしてくれた
「まだ」
「好き…」
目に、おでこに、頬に、口に。たくさんのキスをしてくれる。
「もっと」
「好きだよ」
「たりない」
「大好き、空…」
大好き、大好きだよ。空。

