火星再開発計画は、各国共同のプランであった。
そこには国家間の争いは無いはずだった。


それは、今までやってきた様々な環境対策の失態を見れば非を見るより明らかであった。


国連火星再開発特別委員会がスイスのジュネーブで開かれていた。


その中の議題で、国際宇宙ステーションのエデンの増改造工事のスケジュール遅滞及び、火星再開発本部のテラガイアへの補給物資輸送人員等の話し合いがなされていた。


テロリストの活動の活発化に伴い、資金援助が難しく撤退を余儀なくする国もあり、資金調達面の問題があがる。


環境問題に於いては、CO2の低減化、化石エネルギーの採掘制限・・・
色々な方策で対応してきた

環境破壊は押さえられているが、これから人口増加が加速度的に進んでいくと、地球の生態系に対しての、自然治癒能力の限界を越えてくる―――


それは知っているはずだった、しかしエデンの資金提供率は85%になり、計画は遅れていく――


世界が壊れていく、足音が聞こえる――