敵方の見知らぬ男に持ち上げられ、連れてかれたのは暗い部屋。
男は部屋の鍵をロックした。
美瑠『やっ、やめてよ…』
黒い布で目隠しして、後ろで固く結ばれた。
「ん~?美瑠ちゃんを、ここの部屋から出ないようにしてるんだよ?」
すでに手足縛られてるから身動きの取れない状態。
なのに、目隠しまでされる。
「ん~、本当なら口も塞がなくちゃいけないんだけど、美瑠ちゃん、その様子ぢゃ大声出せないからいっか」
もう体力は限界。
意識はもうろう。
私がもっと早く、この人達の存在に気付いてれば…こんな風にはならなかった。
私が気付いてれば、翔は喧嘩なんかすることなかった。翔が戦うことなんてなかった。
隣の部屋から聞こえる鈍い音は喧嘩の激しさを物語っていて、金属がぶつかる音、物が割れる音、それ等に私は
自分がこの後どうなるのかという恐怖より
自分のために戦っている翔がこの後どうなるのかという恐怖に怯えることしかできない。
見知らぬ男の気配も、もう無い。おそらく、この部屋から消えただろう。
そう思ってたら、
「美瑠ちゃん生きてる~?」
さっきの男の声だ。

