──ガッタンッッ
意識が遠退いてゆく中、大きな騒音が耳に響いた。
その音に驚いて、私は思わず目を開いてしまった。
犯人は私の少し後ろにいて、顔はわからない。
バタバタと足音をたてて玄関から近づいてくる人影に、犯人達は
「やっときた」
と、言って。
カラカラと鉄パイプを引きずる音と、鼻で笑う女の人の声。
──バッタン
この広い部屋の扉を蹴り飛ばして入ってきたのは、、、
血まみれの翔だった。
明らかに喧嘩したという事が翔の血まみれの手から伺える。でも翔には傷ひとつ無くて、翔が誰かに殴った跡があるだけ。
私の姿を見た瞬間、翔は
翔「誰だよ……、美瑠をこんな風にした奴は…。…誰だっつってんだよッッ!!、答えろ!!」
広い部屋に響きわたるドス黒い声のあと、翔が私に駆け寄ろうとしたその時、
「ちょっと待ってください、滝沢翔先輩。ただで中井を返してもらえるとでもお思いで?」
そんな馬鹿な。と、そう女は付け足して嘲笑う。
翔「ぁあ?てめぇらこそ、ただで済まされるとでも思ってんぢゃあねぇだろうな。」
「まだ中井に触れないで下さいね?滝沢先輩」
翔「てめぇら何が目的でこんなことしてんだよ…。何が欲しいんだよ、何がやりたいんだよっ!!」
「何が欲しい?そんなの決まってるぢゃないですか、先輩。あたしが欲しいのは先輩、貴方ですよ?」

