「ファウル、好き。」

「わかってる。」


そう言って悲しそうに、ファウルは天井窓を見上げた

そこからは、幾千万の星々が数多の空に散りばめられて輝く


「どうして悲しそうなの?」

「別の質問をして。」


「好きな物は、何?」

「またその質問なの?」


「聞きたい。」


「桜の散りかけ。」

「なんで?」


「桜は、散るからこそ美しいんだよ。」

「そうなの?」


「そう、終わるからこそ美しい。」

そう言ってファウルは今度は笑って、私の方を向いた

「メディアナは、美しいのに散らないね。」