「ほら、家が見えてきた。」
「えっ、どれですか?」
「あれだよ、正面に見えてる。」
田畑の中にひっそりと建つ大きな日本家屋に私は思わず声を上げた。
私の反応がよほど嬉しかったのか、山野さんは自慢げに小さく笑った。
「ただいま。」
山野さんが家の中に呼びかける。
その隣で私はきょろきょろと辺りを見回していた。
広くて無駄のない玄関。
そして、ものすごく静かだ。私の耳に届くのは、靴箱の上にある金魚鉢のポンプの音だけ。
「おーい、帰ったぞ!」
山野さんの呼びかけが虚しく響く。
この家、どんだけ広いんだ……。
「ごめん、聞こえてないみたいだから上がって。」
すまなそうな顔をして山野さんが言う。
玄関まで出迎えに来なくても、大したことないのに。
「じゃあ、お邪魔します。」
「えっ、どれですか?」
「あれだよ、正面に見えてる。」
田畑の中にひっそりと建つ大きな日本家屋に私は思わず声を上げた。
私の反応がよほど嬉しかったのか、山野さんは自慢げに小さく笑った。
「ただいま。」
山野さんが家の中に呼びかける。
その隣で私はきょろきょろと辺りを見回していた。
広くて無駄のない玄関。
そして、ものすごく静かだ。私の耳に届くのは、靴箱の上にある金魚鉢のポンプの音だけ。
「おーい、帰ったぞ!」
山野さんの呼びかけが虚しく響く。
この家、どんだけ広いんだ……。
「ごめん、聞こえてないみたいだから上がって。」
すまなそうな顔をして山野さんが言う。
玄関まで出迎えに来なくても、大したことないのに。
「じゃあ、お邪魔します。」


