「もう1つ、行くとこあるから。」

晶に連れてこられた場所は、私が想像していなかった場所だった。

「晶、ここで遊んでるの?」

「ううん。」

「じゃ、何で?」

目の前一面に広がるひまわり畑に私は言葉を失っていた。
青々とした田畑の中、その黄色は異質なものだったけれど、私には光り輝いているように見えた。

「美優、好きかな、と思って。こういうの、都会にはないだろ?」

「うん。」

私は頷くので精一杯だった。
そのくらい、キレイなひまわりだった。

「これね、オレが作ったんだ、1人で。」

「晶が?このひまわり全部?」

「うん。種まいて、水とか肥料とかやって。」

「……スゴいね。きれい。」

素直な言葉が口から出た。
単純な言葉だったけど、今の私にはそれ以上の言葉を見つけられなかった。