無事、写真を撮り終えて墓地から出ると、晶はすぐに手を離した。

「美優の……怖がり。」

いつもならイライラするような言葉も、今は可愛く思える。
それってただの強がりだもんね?

「はいはい。早く帰るよ、おばさんに気づかれないうちに。」

私の言葉に、晶は意外にもすんなりと歩き出した。

家への帰り道、2人は黙ったまま、ただ歩き続けた。
辺りに響くのは2つの足音だけ。

「ねぇ、美優?」

家が見えてきた頃、晶が初めて声を出した。

「何?」

「父さんとか母さんには……言わないで?」

「何を?」

「……このこと。」

子ども心って、複雑。
わけわかんないところで意地を張ったり、急に弱気になったり。

「言わないよ。2人だけの秘密、ね。」

「約束だよ。」