遠くで声が聞こえる。
誰の声だろう?

「何してたんだよ?」

強い口調。
怒ってるのかな?

「突然だったのよ。仕方ないじゃない。」

別の声が弱々しく反論する。

「気をつけてたら、こんなことにならなかっただろう?」

最初の声がまた怒鳴る。
こんなこと?何かあったのかな?

「お母さんを責めるんじゃないよ。」

また違う声が、怒った声を諭す。

「ばあばもだよ!ばあばがちゃんと見てれば倒れなかったかもしれないだろ!」

「そりゃ、そうだけど……。」

「熱中症だから、大丈夫だとは思う……心配だけどね。」

新しい落ち着いた声が言った。
熱中症……で倒れた?

「美優は、ずっと外にいるのに慣れてないんだから!」

美優……、私、熱中症で倒れたんだ。
じゃあ、この声は……?