「何これっ?」

脱衣所でTシャツを脱いだ私は、鏡に映った自分の醜い姿に思わず声を上げた。肌の露出していた部分が見事に焼けて、真っ赤になってしまっている。

「日焼け止め、ちゃんと塗ってたのに……。」

そうだよ。私は朝も昼も、こまめに日焼け止めを塗った。なのに、どうして!こんなに真っ赤なのよ!
惨めな気分でお風呂に入る。だけど、太陽のイタズラはそれだけでは終わらなかった。

「痛っ!」

日焼けした皮膚が今度はヒリヒリ。ゆっくり湯船に浸かって疲れをとることもできない。
必要最小限のことを痛みに耐えながらササッと済ますと、私はすぐにお風呂を出た。

山野家のお風呂は年功序列。おばあちゃんから順に入っていく。
台所に行くと、夕食の支度はほとんど終わっていた。

「晶、お風呂いいわよ。」

私は居間でテレビを見ている晶に声をかけ、おばさんたちを手伝った。

「美優ちゃん、腕、真っ赤!」

私の日に焼けた肌を見て驚いたのは、私自身だけではなかった。おばさんがひどい傷痕を見るような目で私の腕を見ている。

「昨日は真っ白だったのに。長袖着なきゃ、ダメよ?」