延々と喋り続ける女性陣を横目に、黙々とご飯を食べ続ける男性陣。
一般的に、お喋り好きは女性が多いが、この家の女性は格別だ。

「ねぇ、美優ちゃん。」
そう言われると、会話に参加しないわけにはいかない。私は、おばさんたちの話に必死に相槌を打った。
だけど、いつものことで慣れっこなのか、晶も軽トラではあんなに饒舌だったおじさんも何も言わない。

そんなこんなで、気がつくと目の前のお皿は全て空になっていた。


久しぶりの満腹感に恐る恐る乗った体重計。
よかった、今のところ大きな変動はない。
でも、あんなにおいしい料理を毎日出されたら、簡単に太っちゃう。気をつけないと。

お風呂から上がり自分の部屋にはいると、窓の外には丸い月が煌々と光っていた。
窓を開けると夜風が吹き込み、火照った体を冷ましていく。

月明かりがこんなに明るいなんて、知らなかった。
ここなら、クーラーも蛍光灯もあまり役に立たないかも知れない。