立ち上がった私は、まだ頭の中の整理がつかないでいた。 「ゆ、夢と同じ・・・」 口が勝手に動いた。 まだ現実が受け入れられない・・・! 「夢?」 目の前で子犬を抱えて立っている会長の声でハッとした。 「夢なんかじゃないだろ・・・」 「え?」 「今ので、お前はコイツと二回キスしたことになるな」 会長は私の顔の高さに子犬を上げてそう言うと、ニヤリと笑った。 その笑みたるや、まさに悪魔のごとし。 誰だ・・・ 誰だ、この悪魔を王子だなんて言ったのはーーー!!!!!