「キミ、勝手に入ってこないでくれるかな?」
「あ、はい!すぐ出ていきます!」
パニックになって頭の中がぐるぐる回っていたわたしは、会長の言葉にハッとしてとっさに答えた。
「そういうことじゃ・・・ないでしょ」
会長はそう言いながらこっちに近づいてきたので、わたしは立ったまま硬直してしまった。
コツ・・
コツ・・・
ゆっくり近づいてくる会長の足音と縮まる距離
「(恐い・・!!)」
足音よりも心臓の音が大きくなりそうだったその瞬間!
「ワンワンッ!」
さっきの犬人間が会長を追い越し、わたしの方に突進してきた!
「へ・・・?」
「おい!」
会長の呼び止める声も気にせず、犬人間はわたしにとびかかってきた!
「ぃぎゃああああああ!!!!!」
わたしは押し倒されしりもちをついてしまった。
「ハッハッハッ」
犬人間は嬉しそうにわたしを見つめ、しっぽをぱたぱた振っている。
でも体は人間。
しかもハダカ・・・
う〜・それ以上顔を近づけないでー!!
“ペロッ”
・・・は?

