君はあの時笑っていた。
太陽のようだった。
僕はその笑顔にどれだけ救われただろうか。

貴方はとても優しくて、私を包んでくれた。
温かくて、柔らかかった。
私はその優しさにどれだけ救われたんだろう。


「いい天気だな~」
窓を開けて背伸びした。
朝の陽ざしが部屋へと入りこんでくる。
「香夜ー!!遅刻するわよ」
「わかってるってーー」
だらけた返事を返し、制服へと手を伸ばす。
新谷香夜、性別男、15歳。今日から高校生!

「ごちっっ!!」
香夜はごはんをかけこみ、バタバタと慌ただしく走り回る。
そして、荷物をすべて持つと玄関へと向かう。
「遅刻するとは言ったけど、そこまで急がなくても・・・」
香夜はにっと笑って振り向いた。
「だって楽しみじゃん。高校ってさ。だから早く行きたいの!!
じゃあ、行ってきます!!」
外へと飛び出した。