天を仰ぎ



すると車の少し離れた場所でミユと同じ年程の少女が倒れていた


身体の下からは真っ赤な血が溢れて体をすっぽりと覆って行く



初めて人間の死に目に立ち合ったミユはガクガクと震えていた



『ミユ様!ミユ様の力なら助けられるよ!!』


『で…でも…。』


シアンはその少女に駆け寄る


辛うじてまだ息をしていた

しかし、死の時は刻一刻と近づいていた


ミユも走り寄ったもののどうしたらいいのか分からないでいた

更に初めて目にするこの惨劇で恐怖に震えるばかりだった


『ミユ様!早く!ミユ様には人間の命を救う力があるんだから!!』




『ここには三枚羽根のミユ様がいるんだ。だから、助かるよ!大丈夫安心して!』

シアンは女のコを励まそうと優しく伝える




しかし、ミユは呆然とそれを見つめるばかりだった