天を仰ぎ



シアンの病室が少し開いており、話し声が聞こえてミユは立ち止まる


どうやらヒューが眠っているシアンに何かを話しているようだった






「シアン…。ミユを連れて来たぞ。…そもそも…お前だけが禁忌を受けなければならなくなった根源のミユを。ミユがお前の羽根をもぎ取ったと言っても過言じゃないだろう。」


ヒューは優しくシアンの頭を撫でる


まるで赤ん坊を撫でる様に


「ミユの三枚羽根さえあればお前をまた天使に戻せる。」


「ミユの羽根の力を全てお前に渡せばお前は天使に戻れる。そして、ミユは羽根無しになり代わりに死ぬ。」






「…ミユがお前の羽根を奪ったのだから当然の報いだ。」


冷たい目線でヒューはそう言い放った