夜に泣いて目覚めることも増えた。 一晩に何度も。 過去の残像を夢に見るから。 母との喧嘩。 父に買ってもらった靴。 母と作ったごはん。 父に一度だけ取り上げられた携帯。 どんな夢もどんな過去の記憶も。 いつも最後はあやふやになって。 眠りながら泣くのは苦しいから。 上手に呼吸ができなくなって、 息苦しくなって目覚めてしまう。 淋しさを埋めてくれたはずのものが。 いっそうの淋しさを深めていることに 私は、気がついていなかったのだ。