海に花、空に指先、地に霞


驚くのを通り越して、呆れはじめた。
本気で笑えてくる。

……花嫁って何?!
結婚!??
王様って何なの…!

さっきの説明は、少しも理解できていなかった。
正直、する気もなかった。


……疲れたなぁ………。

「もうやだ…もう寝る……」

さっき卒倒したばかりだけど。

思考を手放したい。
だって何を考えたって答なんて出ないし。

お祭りだとぉ~…。
馬鹿にして!
絶対、からかって楽しんでるに決まってる!

ムカムカしながら、服を着たまま、ベッドに潜り込む。

まだ夕方だけど!
そういや、朝から何も食べてないけど!
掃除なんて、少しもできなかったけど!!

布団に包まって、ギュッと目を閉じる。

…眠ってしまえば、いい。


…特技だもん。
いつでもどこでも、すぐに眠れること。


ああ、神様。
願わくば、今日1日のことは、全て夢でありますように。

誕生日だったんだから、それくらいのプレゼントちょうだいよ……。