……何で知っているの、とか。どうして今ソレを言うの、とか。

疑問だらけの頭は、いまだにグルグル。

…その言葉、最高に、キライ………。
だって、…悔しいのは、何より私だ。

それに……そんなやさしい声と顔で、…そんなこと言わないで。

同情でも…なんでも。

やさしくされると、途端に崩れ落ちてしまうから。

沈み込みそうになる気持ちを、無理矢理浮上させる。

ダメだ…!
弱気にならない!
付け込まれたらお終いだ……!

でも、私は自室に逃げ込む。
無法地帯となった我が家を早々に放棄して。

リビングのソファに寝転がった天鳥は、映画を楽しんでいたし。
仏間を選んだ森さんは、そこの掃除をし始めて。
何度も懲りずにキスしてくる凪世は、夕食の準備を始めた。


「……おかしい…!!何だコレ!!厄日か…?!」

自室に篭って、ようやく一人になった私は、搾り出すように叫んだ。