これ以上、この話はできない。
まだ誰も選べないどころか、…本当に選ぶのかどうかも分からない私は。
花嫁としての覚悟を持てない私は。
拙い逃げ方をすると、あっという間に追及される。
そうゆう隙を見逃さない人だ。
でも意外にも…天鳥は静かに言葉を紡ぐ。
「……ナギがあんたを自分のモノみたいに扱うからさ」
「は、はい?」
逸らしたはずの会話。
でも、虚をつくような答えが返ってきた。
そんな内容が返ってくると思わなくて、私は素っ頓狂な声を出す。
「…あんたの気持ちを無視した、とかいろいろ。…そりゃね、僕もあんたに言われりゃその通りだと思うけどさ」
「な、何、何?どうゆうこと?」
「……あんたはナギのモノじゃない。…でしょ?」
「わ、私は誰のモノでもありません!!」
「じゃ、僕のモノになってよ」
「はあ?!あ、天鳥? さっきから何言って…」
「……変だな。…こんな気持ちになるとは思わなかった…。あんたなんか相手にして」
「天鳥ってば!……ッ?!」
くるり、とあっさり体を入れ替えられて。
…天鳥が私に覆いかぶさった。
途端に噛み付くような。
乱暴に強引に、口唇を押し付けられた。
「ん…ッ?!」
熱っぽく、口内を…蹂躙される。
私はもがく。

