海に花、空に指先、地に霞


「…いつか………」

「…………」

「……いつか、父さんと母さんにも、また、会えるのかなぁ………」

「………さぁね」

ぶっきらぼうに。
天鳥の声。

首だけををよじって、ようやくこっちを、見た。

相変わらず、大きな瞳で私を凝視する。

「…あんたみたいなのが、稀なんだよ」

「……何?」

「…人の結び付きってヤツさ。…今時はね、なかなか輪廻しても会いたいなんて願う奴、少ないんだよ。少ないっていうより希薄なんだ」

「…そんな……」

私は起き上がる。
上半身を捩って、天鳥を見下ろすと、彼はゆったりと目を閉じた。

「…誰もそんな風に……あんたみたいに、強くは願わない。…輪が……ひどく、脆いんだ」

もう、どうしようもない、と。


…痛みに耐えるように。