ここ…、美術準備室ですわ。ココでなにをしてらっしゃるのでしょう…??



わたくしはそっとドアを開けた。すると、椅子に座って、片手にはパレット、もう片手には筆を持ち、真剣な眼差しで絵を描く大宮の姿が見えた。



あのお方…っ!!画家でしたのっ!?


がたっ



見られているのに気付いた大宮がこちらを見た。



「てめっ!!!朝のっ!!」



「わたくし、『てめ-』ではありません。礼宮桜子ですわっ!!」


「てか、なんでココいんだよ!?」


「あなた、『狼』なんでしょう??」





「……は??」


大宮は意味の分からないことを言うわたくしの前で、だらしない顔をした。


「ですからっ!!あなたは『狼』なのでしょう??」


大宮は首をひねり、



「男はみんな『狼』だけどさ…。」





「そうなんですのっ!!??男性はみなさん『狼』なんですの!!??」


わたくしの食いつき具合を見て、大宮は大声で笑い始めた。



「おまえ、おもしろすぎだろお??ははっ!!」


今度はわたくしが首をひねった。
そして、大宮に近づいて、袖をひっぱって、


「ますます気になりますわ。教えてくださいまし。」



「いいぜ、教えてやるよ。」


そう言った瞬間、わたくしは強い衝撃で頭をうち、壁と大宮に挟まれた。 大宮が私の手首を持って、しっかり固定している。


「このこと…、誰にも話すんじゃねえぞ。話したらどおなるか、分かるよな??」


「な…」


「な???」



「何するんですのーーー!!!」



どしんっ!!!


大宮の本日二度目の、背負い投げられであった。