カップルのおきて【修正中】

「はあぁ……。」








「も、桃ちゃん??ため息、10回目だよ??どうかしたの??」






かずが私の顔を覗きこんできた。なんだか、いっぱいいっぱいで、返す言葉が見つからないので、かずから顔を背けた。






そのとき、ぐいっとひっぱられ、私はかずの胸の中にいた。バイト帰りのかずは、ラーメンの油っぽいにおいが染み込んでいて、
なんだか、身近で安心できた。
でも、私は素直じゃない。





「…………くさい。」









「わっ、ご、ごめんねっ!!??やっぱ染み込んでるなぁっ!!においが〜っ。」






かずは自分の服を嗅ぎながら、がっかりしていた。











「………うそ。ごめん。」







今度は私から、かずの腕のなかに入った。すっぽり包まれて、なんだか安心して眠ってしまいそうだった。





普段じゃありえない、私の行動に、かずは何かを感じてくれたのか、何も言わずに抱きしめていてくれた。





かずの鼓動がだんだん速くなって、私の鼓動も合わせるように速くなった。それがハーモニーを生み出して、1つの音楽のようだった。






ずいぶん長い間そうしていた。離れがたいけど、もう12時近い。
私はかずの家を出て、かずがお見送りに、玄関先まででてきていた。