百合たちはこう見えても付き合ってます。



百合は学年最下位、まぁくんはもちろん上位で、生徒会長をしてるの。はたから見れば不釣り合いカップルだけど、百合はそんなコト気にしません。




でも、まぁくんはかっこいいでしょー??
どぉしたらまぁくんに、もっと好きになってもらえるか、それが今の百合の最大の悩み……






「いや、大丈夫だから。あーんなカタブツの能面に皆興味ないし。百合だけだから、安心しなよ。」




「あっれ~??真奈、百合に妬いてんの~??また竜也くんとケンカ??」




百合の挑発に、真奈はいつもおもしろいぐらい、ノッてくる。ホントからかいがいがあって面白い。あぁ、あと竜也くんの話をすると、勝ち気な性格のくせに、ほんのり赤らむとことか。



「違います~っ!!私は百合と違って、いつでも恋に悩んでるわけじゃないのっ!!」


真奈はプイッと別のほうを見た。




真奈はやっぱり分かりやすいなぁ~…




…あっ!!!



「やばーいッ!!今日まぁくんにクッキー作ってきたの、忘れてたっ!!じゃ、真奈、またあとでねッ!!」


ちょっとー、とあとから追いかけてくる真奈の声を振り払って、全速力で廊下を走っていった。





やばい、やばい、やばーい!!


朝早く渡そうと思ったのになぁ~ッ!!作戦失敗~。