「たけ兄っ!!朝だよっ!!ほら、起きてっ!!」







「ん〜…。」








かばっ






「真知子…??」












「そおだよ??ほら、早く用意して!!石原さんが迎えにきちゃうよ??」












「真知子…、俺…。」












「ほ、ほらっ!!私、先に行ってるからね-??もお、変な『お兄ちゃん』!!」












私は、少し…ほんの少しだけ、落ちそうになった涙をすくった。私にとっての恋の味は、甘ずっぱくて、切ない涙の味だと思う。










恋をするたびに、この甘ずっぱさを味わって、傷つくたびに、切なさを味わって、最後には砂糖のように甘い愛の味を味わえたら、それだけで、今までの辛さも、全てチャラになると思うの。







たけ兄、私に恋の味をくれてありがとう。私は、たけ兄を好きになったこと、後悔してない。おかげで、恋の痛さも甘さも知れた。それだけで、私には価値のあることなの。