「ねえ、ロッシュって誰なの?」

 ダグラスは、オレンジレッドのピックアップトラックに乗り込もうとするベリルに訪ねた。

「有名な傭兵だ。何度か一緒に仕事をした事がある」

 ベリルは、詳細なデータを後日来るまでに集めておけ。と、リアンナに言って家をあとにした。

 車に乗り込んだベリルたちは、しばらく走らせて馴染みのホテルに入る。

 部屋に入ると、ダグラスがベッドに体を投げた。

 それにベリルは見向きもせず、携帯に手をかける。

 かけた相手は……

「イズミ、頼まれてくれないか」
「!」

 仲間を集める気なんだ……ダグラスはすぐに気付いた。

「オーストラリアは暑いな~」
「……」

 息を潜めてその様子に聞き入っているダグラスとは違い、ライカは鼻歌交じりで冷蔵庫からジュースを出してがぶ飲みしている。

「……」

なんて緊張感の無い奴……