「で、依頼というのは?」

 3人は、ビーチから女性の家に移動した。浜辺近くの大きな家だ。

「ありがと」

差し出されたジュースに、ダグラスは嬉しそうにストローをくわえる。

「あっ?」

 ベリルはダグラスのグラスを先に取り、少し味わった。それに女性は小さく笑う。

「毒なんて入ってないわよ」
「毒!?」

 ライカとダグラスはギョッとして、ジュースを凝視した。

「そのようだ」

 言ってグラスをダグラスに返す。

「助けて出して欲しい人がいるの」

 真剣な面持ちで女性は写真を手渡す。

「私はリアンナと言います。助け出して欲しいのは私の父。ロッシュ・バーゴン」

「……」

 ベリルは、写真の人物に眉をひそめた。金髪に青い瞳、彫りの深い顔立ち。