天使からの贈りもの

「ライカ……」

 ダグラスはライカに近づき、声を詰まらせながら……

「ライカといて楽しかったよ。いいライバルになれた。離れていても、ライバルは変わらないからね」

 そう言って、彼に何かを手渡した。

「! これ……」

 それは、小さなナイフ。ダグラスがずっと持っていた大切なナイフだ。

 ダグラスはその後の言葉が出なくて、涙をこらえるようにベリルの後ろに身を隠した。

「うん。ありがとう……」

 ライカも、それだけ言うのが精一杯だった。