驚くライカに、ベリルは静かに発する。

「私だけでなく、他の傭兵の技術も学べ。彼は信頼出来る者だ。傭兵としての力量も申し分ない」

「『素晴らしき傭兵』にそう言ってもらえると嬉しいよ」

 ロッシュには、ベリルに対する妬みも何もかも、綺麗に無くなっていた。

 素直に彼が、素晴らしい存在だと認識出来る。

「でも……っ」

 まだベリルに付いてすぐなのに……突然の事にライカは戸惑った。

 そんなライカを、ベリルは静かにうながしてロッシュの側に寄せる。

「今のお前なら、十分に彼の役に立つ。そしてセシエルの意志を継ぐにふさわしい者に、近いうちになれるだろう」

「! オヤジの……」