「どれくらいで目を覚ますんだ?」

 ロッシュは泉に問いかけた。

「さあ~像用だが、代謝が早いから1時間から2時間てとこかな」

「そうか」
「秘宝があったわ!」

 メロールが宝石を見つけてロッシュに手渡した。

 それを見つめるロッシュに、泉は目を据わらせて口を開く。

「『神の子』ねぇ……あそこにホントの神の子がいるのにな」

 心配そうに見つめるライカとダグラスに寄り添われ、未だに目を覚まさないベリルをあごで示す。

「……」

 ロッシュはそれに、無言で宝石を握りしめた。

 1時間後──

「う」

 ベリルが静かに目を覚ました。

「ベリル!」
「ベリルっ」

 初めに目に飛び込んできたのは、ダグラスとライカの顔。2人は、ずっと彼に寄り添っていた。

 作戦が成功したと感じたベリルは、笑って起き上がる。

「お?」

 ロッシュがその視線に入った。その顔は、何故か苦い。

「どうして、助けに来た」

 彼の問いかけにベリルは笑って応えた。

「当り前の事を聞かれてもな」
「……!?」