心配そうに上から見つめるロッシュに、ベリルは小さく笑った。

「怪我は無いか?」
「ああ、無い」

 聞きながら、ベリルは上半身を起こしてロッシュに寄りかかる。

「まったく……お前は、頑固だよ」
「悪かったな」

 ベリルは意識が遠のいていく中、薄笑いで発した。

「そこが、お前……の、いい処でも、あるんだがね……」

「しっかりしろ!」

「無茶、言うな……この量。像用だぞ。普通の人間なら、死ぬ」

 そして、

「私の事は、気にするな。何か、転がってきたら……目を閉じろ」

「え?」

 ベリルはそう言って、眠りに落ちた。