天使からの贈りもの

 サングラスを外して上半身を起こすと、一斉に近くにいた女性たちの視線が注ぎ込まれた。

「……」

 それに、ベリルは眉間にしわを寄せる。

 よく見ると7割は日本人だ。女性たちは、この3人に釘付けになる。

 上品な物腰と整った顔立ちのベリルに、輝く笑顔の可愛いダグラス。そして浅黒い肌に熊を思わせる容姿の、とても上品とは思えないライカ。

『3人は一体どういう関係なんだろう?』

 女性たちの、そんな視線が突き刺さる。まさか、25歳に見えるベリルが親代わり。などとは言えない。

「はい」
「!」

 しかめっ面のベリルに、ダグラスが缶ビールを持ってきた。

「何故ビール……」

「暑い日にこういう炭酸って、スカッとするよね」

「……」

 だったらコーラでもいいと思うのだが……大人ならアルコール飲料。というイメージでもあるのだろうか?