「始まった……」

 ダグラスとライカは、ヘッドセットから響く声と建物から届く音に固唾(かたず)を呑む。

 ライカたちはベリルのチームにいて、ほぼ最後に突入する。

 泉から渡された手榴弾を2人は持っている。彼は爆発物に長けた傭兵だ。

<小ホールで戦闘中>
「相手の数は?」

<多分、5人>

「1チーム、そちらに向かっている。それまで持たせろ」

<解った!>

<エリアC制圧>

 それを聞いたベリルは、最後のチームに突入指示を出す。

 いよいよだ! ダグとライカは、ライフルを握りしめてベリルの後に続いた。