数時間後──ベリルは、あるグループの元へ来ている。一番先に施設に突入するチームだ。

「最終確認を行う。何か質問は?」

 それに、ロイスという男が口を開いた。

「あのよ……殲滅戦の意識でいいって言ってたが。なんでだ?」

「アンデルセンという男は容赦が無い。相手が赤子でも、躊躇(ちゅうちょ)無く殺せる奴なのだ」

 それを聞いた先発隊は、眉間にしわを寄せた。

「ロッシュたちのチームは6人。彼らを救出するには、相手の命を考えては行動出来ん」

 そういう相手なら、こちらもそういう意識で動く必要がある。

「だからといって無理にトドメを刺す必要は無い。武器を全て奪ってから次の行動に移ってくれ」

「解った」

 先発隊は1チーム3人が3方向から突入する。

 現在、3方向からそれぞれ監視していて先発隊の突入にも彼らの情報がリアルタイムで示される。

 ベリルは次に、後続のチーム各々に確認作業を済ませ決行3時間前にヘッドセットの最終チェックを行った。