俺は、ベリルの才能に妬みを抱いている。

「……」

 年は取りたくないものだ。こんな卑屈な人間ではなかったハズなんだがな……何もかもが妬みの対象なんだよ、お前は。

 ロッシュは深い溜息を漏らした。

 捕まるってのは、性に合わんな。考える時間がたっぷりある。

 とにかく、そんな俺の考えを悟っているあいつが俺を助けになんて来るハズはない。

 しかし、助けようとしている人物は確実に存在する訳だ。

 その時まで、なんとか体力と気力を温存しておかなくては……

 最低限の食事しか与えられていないロッシュたちは、半ば気力が途絶えそうなのだ。