そして本題に入る。

「公会堂だが。さて、一体どこに集まっていると思う?」

「ここだ!」
「こっちだろ!?」
「ここにある!」

 ベリルが訪ねると、あちこちから一斉に見取り図に指が指された。

 最も多く指の指された部屋にベリルは目を向けて、さらに問いかける。

「では、ここだと予想しよう。どう動く?」

 それに1人の傭兵が、

「まず1チームが潜入して進入路の確保かな?」

「現在トマックに監視している者と合流してもらっている。そろそろ連絡が来る頃だろう」

 言ったベリルのすぐ後に無線から声が入る。

<ベリル、今合流した>
「様子はどうだ?」

<雰囲気からして……奴らが集まっているのは。中ホールっぽいな>

 それを聞いた数人がガッツポーズした。

<外を監視してるのが……約3人。巡回するのは、おそらく4人>

 残りは待機と捕虜の監視と指示か……聞きながら見取り図を眺める。

「これは何かしら?」

 メロールが見取り図を指さす。

「控え室……?」

「トマック、中ホールの南にある部屋は見えるか?」

<ああ、見えるが……何か置いてあるぞ。そんなに大きくない箱だが、随分と厳重そうだ>

 まさか、あれが国宝『神の子』……?