現地に向かうと、すでに簡易基地が設置されていた。

 活気に溢れた雰囲気にライカもダグラスも笑顔が浮かぶ。

「ベリル」

 泉が声をかける。

「今回は『リリパット』にも要請したのか?」

「相手が相手だからな。彼らにも協力してもらった方がいい」

 初めて聞く名前に、ダグラスもライカもいぶかしげな表情を見せる。それに泉が応えた。

「義賊の事をそう呼ぶんだ。ベリルは“リリパット”たちにも顔が広い」


 一息ついて一同が部屋に集まる。

「……」

 見回して確認したベリルは口を開く。

「今回の作戦には『リリパット』から2人協力を仰いだ。メロールとアルフレッド」

 紹介された2人は1歩前にでて軽く手を挙げた。

「相手はシーフ寄りの傭兵だ。彼らの意見をよく耳にして欲しい」

 ベリルの言葉にアルフレッドという男は、

「アンデルセンはよく知っている。我々とは敵対関係にある奴だ」

 そしてメロールが、

「彼に関する事は何でも聞いて頂戴。我々が知る限りの情報はお教えするわ」