「どういう事?」

 シャワーを終えたダグラスが、ベッドで銃の手入れをしているベリルに訪ねた。

「何がだね?」
「敵の顔だよ」

 ダグラスは、シャワールームにいるライカにクイと頭を向ける。

「あれが本来のあいつだ」
「……?」

 言われてダグラスは眉間にしわを寄せた。

「奴は要領が悪かっただけだ。向上心さえ出ればちゃんと出来る」

「ベリルは……それに気付いてたの?」

 それに、ベリルは笑いながらしれっと答える。

「おや、気付かなかったのかね?」

「は~さっぱりした」

 すっきりした顔をしたライカが出てきた。

「ライカ」
「何?」

「買い物を頼まれてくれないかね?」
「いいよ~何?」

「9ミリパラベラム弾を3箱と、50口径AE弾を2箱」

「OK~服着てすぐに行く」

 着替えるため別の部屋に向かったライカを、ダグラスは唖然と見つめた。

 それにベリルは、

「な?」

 と、笑って言った。

「……」

“な?”って言われても……

「お前は天性のものがあるがライカは努力型なんだ。1つ1つ、しっかり覚えたり見たりする事で上達する」

 今度はナイフを取り出し刃を確認しながら応える。

 このままだと、すぐに追い越されてしまう……ダクラスは慌てて敵の顔を覚え始めた。