「お前が見ていろ、ライカ」
「知らねーよ」
「ライカよりベリルの方がいい」

 もう1人現れた男は、ライカ・パーシェル27歳。182㎝にブラウンの髪と青い瞳。印象的な彫りの深い顔立ちをしている。

 10歳の時にセシエルに拾われて、セシエルが死ぬまで側にいた人物だ。

 3人は骨休めにオーストラリアに来ている。サンラウンジャーで寝そべっていたベリルは、伸びをするために立ち上がったがそこにダグラスが勢いよく抱きついてきたのだ。

 砂浜で、かっちり服を着こんでいるベリルに怪訝な顔をする観光客。

 ソフトジーンズに、上は黒のインナーを着て半袖の前開きシャツを羽織っている。

 外見は25歳ほど。金髪のショートヘア、明るい緑の瞳。

「どうして水着にならないの?」

 問いかけたダグラスに、ベリルはしれっと応える。

「泳ぐ気が無いから」
「もしかして、カナヅチなんじゃね?」

 楽しそうにライカは口の端をつり上げたが、ダグラスは言葉を返した。

「ベリルは泳ぎ得意だよ。時々プールに行って泳いでたもん」

 もちろん、トレーニングのためである。

 神秘的なエメラルド色の瞳をサングラスで隠し、ベリルはサンラウンジャーでくつろぐ。