しばらくしてベリルが到着した。

「ベリル!」
「久しぶりだな」

 それぞれが口々に挨拶する。それに、ベリルは手を挙げて応えた。

 今回集めたのは30人。集めたデータから、ベリルが計算して出した人数だ。

「ここで軽く作戦を立て移動。移動した先で最終的な決定をする」

 地図を広げながらベリルが説明する。

「この建物は……何かの施設だったのか?」

 と、メイヤー。セピア色の髪にグレーの瞳、178㎝。

「公会堂だったらしい。10年も前から使われていない。そこを奴らは隠れ家としたようだ」

「ロッシュが捕まったのなら、移動してるんじゃないか?」

 と、トマック。色あせた金の髪と黄緑の瞳。182㎝。

「リアンナがロッシュが捕まったと知らされてすぐ、傭兵を雇って監視させているらしい。それだと、まだ移動はしていない」

 それに、何人か口笛を鳴らす。

「さすがロッシュの娘だ」

「今回はロッシュ救出と彼の依頼を同時に遂行する。気を引き締めていけ」

 聞いて、全員移動を始めた。