「さあ、着いたぞ」

 車を駐めて外に出る。あちこちにいくつもテントが設置されていて、さながら活気のある小さな基地といった処か。

 見える人間は全て武装している。ベリルが要請した傭兵たちだろう。ざっと20人以上はいるようだ。

「あっカーク!」
「ようダグ」

 ダグは、何人か見知った相手に挨拶を交わす。

「……」

 ライカは、目の前の光景にあっけにとられた。

 実はライカはベリルの処に来て間もない。こういう集団での作戦に参加するのは初めてなのだ。

 目の前の光景を見つめ、ライカは改めてベリルの言葉を噛みしめる。

『一歩間違えば仲間を殺してしまう』

 誰かを殺してしまうかもしれない恐怖。

 そうならないためのトレーニング、訓練、記憶、知識──

「……」

 俺は……今まで何をしてきたんだろう。ただ、オヤジの手伝いをしてきただけだ……
それで、一人前になれると思ってた。

 でも……違うんだな。