「アンデルセン・ホーキス。犯罪組織に雇われる傭兵だ」

 車を走らせながらベリルは説明する。

「じゃあ、“あっち側”の人だね」

 得てして彼らは、自分たちとは違う意志を持つ者の事を、そう位置づけて呼ぶ。

「奴は、傭兵というよりシーフに近い」
「泥棒?」
「俺が見たリストも、シーフ扱いだった」

「その分、厄介だぞ。動きが読みづらい」

 ベリルは眉をひそめた。

「ライカ」
「何?」

「後でリストを渡す。その人物を覚えろ」
「解った」