それから数時間後──

「……」

 ベリルがライカの部屋に入ると、灯りが点いていなかった。あのまま寝てしまったようだ。

「ライカ、起きろ」
「んあ?」

ベリルは部屋の灯りを点け、ライカを起こすと寝ぼけ眼で見上げる。

「うわっと」

 驚いて起き上がるライカに再び問いかけた。

「南はどっちだ」
「はえっ!?」

 ライカが答えるのを待つベリル。

「あっち……?」

「外にいる時は、常に太陽の位置を確認しろ。建物に入る前にも確認し、自分の位置と照合させて記憶する」

「はい……」

 身を縮めるライカに、ベリルは小さく溜息を漏らして続ける。

「いいか、ハンターはいつも単独で行動すると思うな。一歩間違えば仲間を殺す事になる」

「!?」

 言われて、ライカはセシエルの時の事を思い出し背筋が凍る。

「セシエルの事はお前のせいではない」
「でも俺は……っ」

 ライカの表情に、悟ったベリルが発したがライカは喉を詰まらせた。

「自分で克服するんだ。私は何もしてやれない」

 そんなライカに静かに言い放ち、部屋から出て行く。

「オヤジ……」

 悔しい表情を浮かべてつぶやいた。