いつもと変わらない平日。
今日は早帰りの日。
家でぼーっとテレビを見てたら、テーブルの上に置いてた携帯が鳴った。
ディスプレイには彼女の名前。
「もしもし?」
「悠斗.......逢いたい.....家に行っても良い?」
彼女の寂しそうな声にドキッと胸が鳴る。
「いいよ。おいで。」
少ししてから、チャイムが鳴った。
ドアを開けるとしょんぼりと立つ彼女の姿。
「ん?どうした?なんかあった?」
無言で抱きつく彼女を抱きしめる。
ソファーに座って、またぼーっとテレビを見る。
さっきと違うのは彼女がオレにぎゅっと抱きついていること。
なんかあったんだろうけど、わざわざ理由を聞いたりはしない。
慰めの言葉も気の利いた言葉も苦手。
オレに出来るのは傍にいてやる事だけ。

