「…どちら?」 わたし、今この人にみとれてた? 「あ、わたし、となりに越して来ました。長谷川南です。これ、食べてください」 「あ、ドモ。俺、橘 晴〈たちばな はる〉です」 「よろしくお願いします。では、」 ふかぶかとおじぎをして、家から出た。 数歩しかない距離のわたしの部屋に入る。 なんか。 「緊張した…」