〈実話〉亡き父へ~ごめん。そして、有難う~

そんな怒ってばかりの父親だったが、

優しい顔も見せてくれた。

小さい頃から、酷い便秘な私。

お腹がパンパンになって、蕁麻疹をよく出していた。

そんな時、父は必ずといって私のお腹を摩ってくれた。

父の大きな、暖かい手を、お腹に当て

ゆっくり、ゆっくりお腹を摩ってくれた。

いつもは厳格で、神経質な父の顔が、そんな時は、凄く優しい顔になっていた。

だから、私はマッサージ中、深い眠りについていた。