雷鳴の夜

怪物が完全に立ち去ったのを確認して、私達は部屋を出る。

歩き方も慎重になった。

なるべく足音を立てないようにしながら、心なしか早足になる。

早くこの場から逃げ出したいという表れだった。

その一方で、やはりあの怪物の正体が気になっていた。

異形の怪物。

あれが例のF計画の産物である事は、最早間違いないだろう。

ならば、一体F計画とはどういうものだったのか。

あんな怪物を作ってどうするつもりだったのか。

狂気に走った人間の考える事は、私には理解しがたかった。